敵は自分自身の心
私は親の介護初めて1年くらいなのですが、今のところ順調にやれていると思います。
介護は長いマラソンです。長ーく続けられることが正義なのです。
今回は日頃私が実践している精神面での工夫において、参考になった言葉や考え方をご紹介します。
介護中の人も介護の可能性がある人もちょっとお付き合い下さい。
参考になった言葉や考え方
長ーく続けられることが正義
冒頭でも使った言葉ですが、まずは「長ーく続けられることが正義」をご紹介します。
何も介護に限ったことではないのですが、人間が感じる価値というのは
価値=得られる満足×満足が得られる時間
という考えが私の根底にあります。
一瞬素晴らしく満足を得られるものよりも長くそこそこ満足が得られるものの方が価値があると思うのです。
介護でもこの考えは当てはまります。
何かを選択する時はみんな笑顔で大満足を目指すよりも、色々な人にちょっとだけ我慢してもらうが長く続けられる方を選ぶ、という発想で決断するようにしています。
例えば私は子育てと介護を同時に行っていますが、介護も子育ても100点を目指すと長く続けることが困難なので、どちらの関係者にも意図的にちょっと我慢してもらうようにしています。
具体的な例で言えば、親の投薬の時間を確保するため子供の参観日は早抜けしたり遅刻したりしています。また、自分の家庭を優先していますので基本的に親はほったらかしにしています。親の関係は大事なところだけ抑えるようにしています。
社会にも負担してもらえばいい
安全保障という考え方があります。
どうして人を殺してはいけないのかという問いへの答えになる考え方です。ここでは割愛します。そのうち記事にします。
要は、自分が安心するためには負担しなくてはならない事がある、というわけですがボケた老人が身近にいることも安全保障上受け入れなくてはいけない事であると思います。
受け入れる程度の問題かと思いますが、ボケた老人が、
- 歩道を歩いている。
- 営業中の店舗に入ってくるが、特に何するわけでもなく出ていく。たまに買い物をしていく。
- 自分や家族に話しかけてくる。
この程度のことは気にしなくて良いと思うことができれば、介護は随分と楽になります。
私は公務員ですから仕事の経験上、ボケた人が身近にいることは当たり前と消化できています。なのでボケた人が徘徊していても気にもなりません。
車道に出るようになったり、暗くなっても家に帰らないようなら、そこで初めて気にすればいいのです。
介護している人がパンクしてしまう方が社会全体として困ります。
パンクしないためにこれぐらいの負担は欠けてもいいのだと開き直りましょう。
ボケた人は犬や猫と同じ、ペットに腹は立たない
続いてはペット扱いする、です。
ボケた人は人間らしい反応や言葉を発しますが、健常者対健常者が行える意思疎通は不可能だと諦めています。
犬や猫のようなペットくらいに思えば、
- 分かったような素振りをしていたのに分かっていなかった
- 意味不明に怒ったり悲しんだりする
- 家を汚す
- いなくなって帰ってこない、すっごく探して疲れ果てた後にふらっと帰ってくる
- etc
長く続けるためのコツです。
自分に分かりやすい表現なので「犬や猫のようなペット」と言っていますが、不快に思うようでしたらご自分にあった表現に置き換えてください。
ゴールは死ではなく入所
特別養護老人ホーム(公的な施設)は要介護3~5になると入所要件を満たし、介護保険が適用されて月10万円くらいの負担で入所できるようになります。
金銭面は、大体のところ本人の年金でほぼカバーできるので、金銭的負担は無視して良いと思います。
入所してしまえば介護をする者の肉体的時間的負担は限りなくゼロになります。
介護の終わりは公的施設に入所する時、なのです。
親ができる子への最後の教育は死んで見せること
自分も子育てをしているからこそ、この言葉が良くわかるのです。
自分の子供には食事の仕方や眠り方のような、生きるのに当たり前だと思うような事も教えることになります。
いずれ子供は独立し手を離れますが、まだ教えていないことは当然あります。
最たるものが「死に方」です。まだ教えていません。
親は自らが老いていく過程を見せ、実際に死ぬことで、子に死に方を教えているのです。
つまり、介護は親が子に行う最後の教育というわけです。
子は教育を受けているのだから、むしろ姿勢を正し、漏らさず教えを受けましょう。
介護で生じる悩みや思いは全て親が与えてくれる学びなのでしょう。
この学びはやがて来る自分の番に備えて、もっと上手くやるために必要な経験なのです。
まとめ
思いついたら更新していこうと思います。
とにかく介護は長く続けられることが大事です。
社会全体の負担を最小化するには自分が長く介護を続けることが一番、だということを忘れずにいて下さい。私はそうしてます。
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